№3 花鳥風月@佐野美術館

日本橋・和紙舗(わがみほ)「はいばら」の聚玉文庫
コレクションより 2021.3.6

 もともとはこちらを見つけたのは庭園も楽しめる美術館、というのが入口だったのですが、花鳥風月好きとしてはとても見ごたえのあった美術展でした。

歴史をさかのぼり、文化3(1806)年、江戸日本橋に「雁皮紙」の暖簾を掲げた老舗榛原の、貴重な和紙資料コレクションの展覧会でした。
木版刷りの千代紙は、その鮮やかさと精緻な摺りが評判を呼び、明治期の万国博覧会にも出品されました。
デザインは、川端玉章、柴田是真、河鍋暁斎など、当代きっての画家たちに依頼しました。そこには三代当主榛原直次郎の「生活の中に優れた芸術を取り入れる」という強い思いがありました。
 直次郎はこの頃たくさんの作品を集めましたがその多くは大火に合い、焼失しました。それでもそのあとも榛原家はコレクションをし、現代までも素晴らしい会社を残しています。
 千代紙、絵封筒、短冊、内輪、ポチ袋、熨斗とまさに生活に美しいデザインが取り入れられていました。
 竹久夢二や有名な画家がこぞってデザインしていたのですから本当に贅沢な時代ですね。 創業以来200年続く日本橋の榛原を訪ねてみたくなりました。

こちらの美術館は庭園も素晴らしかったです。写真はコチラ。
1200坪の敷地に庭園や料亭、美術館がありました。